着想より1年と5ヶ月を要し、ようやく私が書いた2冊目の本(本当は3冊目)「シン・メイド・イン・ジャパン」が発刊されることになった。
この本、とにかく普通だったら3冊分のボリュームに達する量を書きまくり、出版社との打ち合わせの中で、上下巻の二冊にするか?と言われたが、まさか全く知名度のない私が上下二巻の本を出しても、だれも読まないだろうと、かなりの部分を削りに削り、ようやく280ページ弱の一冊の本に落ち着いた。
内容については、いつも私が言っていることを纏めた本だが、お金を戴いて売る本だから、それなりに様々な取材をし、私の考え方の裏付けを取った力作となった。
その裏付けとなる本を取材していると、その本についつい吸い込まれ、本の解説本のような記述になり、出版社から、「これじゃー誰の本か分からない」とか指摘され、この本の解説については、かなり削るのに苦労した。
また、私のいつもの言い放題、書き放題の記述も、出版社から、「これはちょっと・・・」と咎められ、結構削った。
だからという訳ではないが、かなり一般性(?)があり、濃縮された内容となっている。
昨今のテレビや新聞、ネットを見ていると、国力低下で、給与所得が、韓国平均を下回ったとか、GNPがドルベースだと4位のドイツに並んだとかと言われ、国際社会の中で全く精彩が無い日本。
円安が進み、ドルが120円、130円と来て、とうとう140円を超えるという本当に情けない状態。
タイミング悪く、イギリスのエリザベス女王の荘厳にして盛大な葬儀を目にしながら、安倍首相の国葬をこれからやらなければならない日本は「みじめさ」さえ感じてしまう。
そんな日本が再び、世界の中で光輝くのは『モノ造り大国』しかない。
これは何もヤケになって、根拠もなく言っているわけではない。
日本人という世界の中で稀に見る真面目で、DNAレベルで協調性があり、一つのことに集中し、コツコツコツコツやり遂げる特性のある国民性を見据えた上での話なのである。
そんな日本がモノ造りで世界に乗り出すには、生半可なことではダメだ。
大メーカーは、溜め込んだ内部留保を吐き出し、日本にこれ以上ないというような自動機、ロボットを駆使したスーパーモノ造りのラインを造ることだ。
また、日本の中小零細製造業の類稀なモノ造り技術を駆使した部品をそれなりの価格を出して使うこと。そして中小に資金援助してでも、その職人芸的な匠の技の自動化を促進させることだ。(中小の技術を貰おうというのはダメ、継続的な改善につながらない)
これが実現すれば、他の国が、どんなに資金を突っ込み、人材を投入しても、絶対に追随できないスーパーラインが構築できるはずである。
これを各産業,各製品でどんどんやること。
そして国内はもとより、世界中に充分付加価値を付けて売り込むこと。
これが進めば、間違いなく日本の国力は上がる。
「円安」は、正に今の日本にとっては追い風である。
これらの部品を供給する中小は安定的で、それなりの価格を確保でき、従業員にもそれなりの給料を払えるようになり、大企業は、世界中に安全、安心、壊れず、特性が良く、使い勝手が良い製品を拡販することによって、これまた安定し、高付加価値製品による高収益を得て、従業員の給料をどんどん上げることができる。
わたしのささやかではあるが、経営上の経験を述べるならば、溜めているお金は、会社の状態が」悪くなれば、あれよあれよという間に、どんどんなくなって行ってしまう。
今大企業がすべきは、「未来への投資」であり、今までにはないような最先端で新規性のある国内設備への投資であり、それを実行する人達=従業員への投資なのである。
これを「シン・メイド・イン・ジャパン」と呼ぶ。
この本はこの23日に本屋(配本の関係で多少遅れる可能性あり)で発売され、またアマゾンの電子書籍は即日から売り出します。
27日には日経新聞の4面に公告が載る予定です。
ぜひみなさんお買い求め戴きたいと思います。
小林 延行